「地震が来たらまず火を消す」
「揺れたらすぐ外へ逃げる」
「玄関だけは絶対に開けておく」
子どもの頃から、このような防災の常識を教わってきた人は多いのではないでしょうか。
私自身も長い間、それが正しいと思っていました。
しかし近年、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、大きな災害の経験から防災の考え方は少しずつ変わってきているようです。
もちろん昔の教えが間違っていたわけではありません。
当時の状況では有効だったものの、建物の構造や設備、安全装置の普及などによって、現在はより安全な行動が推奨されるようになったのです。
今回は、昔と今で変わった地震対策を7つ紹介します。
「えっ、そうだったの?」と思うものがあるかもしれません。
ぜひ今の防災知識にアップデートしてみてくださいね。
昔とは違う?今は変わった地震対策7選

私自身も今回調べてみるまで、「昔からそう教わってきたから正しい」と思い込んでいたことがたくさんありました。
でも実際には、大きな地震の経験や防災研究の積み重ねによって、現在では考え方が変わっているものも少なくありません。
そこでここからは、「昔の防災の常識、今はどうなっているの?」という視点で、知っておきたい地震対策を7つご紹介していきます。
知っているようで意外と知らないものもありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
1.地震が来たらまず火を消す → まず身の安全を確保する
これは以前の記事でも詳しく紹介しました。👇

昔はガスコンロに現在ほど安全装置が普及しておらず、地震による火災を防ぐために「まず火を消す」が重要とされていました。
しかし大地震では、コンロへ向かう途中で転倒したり、落下物に当たったりする危険があります。
現在は、
「まず身を守る」
ことが最優先です。
震度6強や震度7クラスでは立っていることすら難しくなるため、無理に火元へ近づくべきではありません。
揺れがおさまってから落ち着いて火の始末をする方が安全と考えられています。
料理中、とくに揚げ物中の行動については、別記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
2.地震が来たらすぐ外へ逃げる → まずはその場で身を守る
昔は「地震だ!外へ逃げろ!」と言われることがよくありました。
しかし現在では、揺れている最中に外へ飛び出すことは危険だとされています。
なぜなら、
・瓦や看板が落下する
・窓ガラスが割れて飛散する
・ブロック塀が倒れる
・電柱や自動販売機が倒れる
といった危険があるからです。
実際、大地震では建物の外にも多くの危険があります。
そのため地震発生直後は、机の下に入る、頭を守る、丈夫な家具のそばで姿勢を低くするなど、まず身の安全を確保することが大切です。
避難が必要かどうかは、揺れがおさまってから判断しましょう。
3.とりあえず玄関を開ける → 状況によって判断する
「地震が来たらまず玄関を開けなさい」
これもよく聞いた話ですよね。
確かに昔の木造住宅では、建物がゆがんでドアが開かなくなることがありました。
そのため避難経路の確保として玄関を開けることが推奨されていました。
ただし現在の住宅は耐震性能が向上しているものも多く、一律に玄関へ向かうことが正解とは限りません。
大きな揺れの最中に玄関へ向かう途中で転倒する危険もあります。
またマンションでは玄関ドアよりも避難経路全体の安全確認が重要になります。
玄関を開けること自体が間違いではありませんが、まずは揺れから身を守ることを優先しましょう。
4.エレベーターは使わない → 地震時は全ての階のボタンを押す
「エレベーターは絶対に使うな」
これは半分正しく、半分誤解されているかもしれません。
地震発生後の避難でエレベーターを使うのは危険です。
停電や故障によって閉じ込められる可能性があるからです。
しかし、もし地震発生時にエレベーターの中にいた場合はどうでしょうか。
現在は「全ての階のボタンを押し、最初に停止した階で降りる」という行動が推奨されています。
慌てて非常ボタンだけを押すよりも、まず停止できる階を確保することが大切です。
マンション住まいの人は、一度確認しておくと安心ですね。
5.家具を押さえる → 家具から離れる
地震が来ると、とっさに本棚や食器棚を押さえたくなる人もいると思います。
しかしこれは非常に危険です。
家具は想像以上に重く、大きな揺れでは人の力で支えきれません。
実際に家具の下敷きになって大けがをするケースもあります。
地震が起きたら、
「家具を守る」
のではなく、
「家具から離れる」
ことが大切です。
普段から家具固定や転倒防止器具を設置しておく方が、はるかに効果的な対策になります。
6.車で避難する → 原則は徒歩避難
大きな地震が起きると、
「とりあえず車で逃げよう」
と考える人も少なくありません。
しかし災害時は道路の渋滞が発生しやすく、緊急車両の通行を妨げる原因になります。
また道路の損傷や落下物によって通行できなくなる場合もあります。
そのため自治体の防災計画でも、避難は原則徒歩とされていることがほとんどです。
もちろん高齢者や身体の不自由な方など例外はありますが、「車があるから安心」と思い込まないことが大切です。
避難所まで実際に歩いてみるのも良い防災対策になります。
7.大きな地震が来たからしばらく安心 → むしろ注意が必要な場合もある
意外と多いのが、この思い込みです。
大きな地震が起きると、
「これだけ大きい地震だったから、もう当分来ないだろう」
と感じてしまう人がいます。
しかし実際には、大地震の後にさらに大きな揺れが発生することがあります。
熊本地震では、最初に震度7を観測した地震が「本震」だと思われていました。
ところが、その後さらに大きな地震が発生し、結果的に後の地震が本震とされました。
また大きな地震の後には余震が長期間続くこともあります。
家の中の危険な場所を再確認したり、避難経路を確認したりすることが大切です。
「もう終わった」と安心するのではなく、「しばらくは警戒が必要」と考える方が安全でしょう。

まとめ|防災の常識は時代とともに変わる
今回紹介した内容を見ると、
「昔教わったことと違う」
と感じるものもあったかもしれません。
しかし、昔の知識が間違っていたわけではありません。
実際の災害から得られた教訓や設備の進歩によって、防災の考え方がアップデートされてきたのです。
今、防災で最も大切なのは、
「まず自分の命を守る」
という考え方です。
火を消すことも、玄関を開けることも、家具を押さえることも、自分の安全が確保されて初めて意味があります。
防災知識は一度覚えたら終わりではありません。
数年前の常識が変わっていることもあります。
ぜひこの機会に、ご家族とも地震が起きた時の行動について話し合い、防災知識を最新のものへアップデートしてみてくださいね。

