「どうしてうちのワンちゃん、お風呂を見ただけでしっぽが内側に入ってブルブル震えてしまうの?」
そんな風に感じたことはありませんか?
実は、多くの犬が「お風呂タイム=嫌な体験」と感じてしまっている可能性があります。
本記事では、なぜ犬がお風呂を嫌いになるのか、そして震えてしまうわんちゃんをどう扱えばいいのかを、最新の専門知見をもとに解説。
初めての方にもわかりやすく、「犬はお風呂が嫌い?怖いの?」という疑問を一緒に解消していきましょう。
なぜ犬はお風呂が嫌いになる?その理由

写真はイメージです。
犬がお風呂を嫌がる理由にはいくつか共通する「心理的・身体的な原因」があります。
まずはその背景を知ることが、お風呂嫌いのしっぽブルブル状態に対処する第一歩です。
コントロールを失ったと感じる
たとえば自由に水辺で遊ぶのとは違い、お風呂では飼い主が浴槽への移動から水をかける・洗う・すすぐ・乾かすといった一連の流れを主導します。
犬にとって「自分の意志でどう動くか」が制限される状況は、ストレスや不安の原因に。
過去のネガティブ体験の影響
熱すぎるお湯、滑って転んだ浴槽、顔にかかった水しぶき、強い香りのシャンプー、無理矢理入れられた経験など――
犬は記憶から「お風呂=怖い」「嫌なことが起きる」と学習してしまうことがあります。
浴槽など環境そのものが不安の原因
滑りやすい床、狭い浴槽、音が響く水音など犬が「逃げ場がない」「安心できない」と感じる条件が揃っていることがあります。
滑ると「危ない」と感じて余計に怖がるケースも。
飼い主の緊張や焦りを敏感に感じ取る
犬は人の気持ちをよく読みます。
お風呂が「面倒」「早く終わらせたい」と飼い主が感じていれば、その空気を察して「嫌な時間だ」と認識してしまうことも。
これらの理由を理解してあげると、「どうしてブルブル震えてしっぽを巻き込むのか」が少しずつ見えてきます。
次は、震え・しっぽないないサインにも言及しながら具体的な対策をご紹介します。
しっぽが内側に入ってブルブル震える時の対処法3ステップ

「しっぽがお腹に引っ付いちゃう」「ブルブル震える」といったサインは、犬からの「怖い」「不安だよ」というサインとも言えます。
ここでは、そういう時にどう動けば安心へとつなげられるか、3段階で解説します。
ステップ1:安心できる環境づくり
まず、浴槽・シャワー周りを見直しましょう。
滑りやすいと感じたら浴槽底にノンスリップマットを敷くことで犬が足場を確保できます。
犬が不安を感じるポイントを少しずつ軽減することで、事前の緊張を和らげられます。
また、お湯の温度も大切です。冷たすぎる・熱すぎるはストレスになるため、「ぬるめの温度(日本語環境ではおおよそ人肌より少し低め)」を目安にしましょう。
ステップ2:お風呂=“嫌な時間”から“安心できる時間”へ
浴室や浴槽周囲を、洗うだけの「緊張の場」ではなく「楽しい/安心できる場」として再教育することが有効です。
例えば浴室に入ったらすぐご褒美のおやつをあげる、何もお湯を使わずに浴槽に入って遊ばせる、という「慣らし」を行います。
犬が浴室に入るだけでもおやつがもらえる→少しお湯に足をつけるだけでおやつ→少し洗うだけでおやつ…というように段階的に進めることで、「お風呂=怖いから楽しい」と変えていくことができます。
ブルブル震えてしっぽが内側に入っている場合、無理にシャンプーを始めるのではなく、まず“浴槽底に足をつける”“少量の水をかける”など小さなステップから始めるのがポイントです。
これにより犬のストレスを最小限にしつつ進めていけます。
ステップ3:お風呂後のケアとポジティブな締めくくり
お風呂が終わったら、すぐ拭いてあげる、温かい環境で乾かす、遊びや散歩など楽しい時間を設けるなど、「お風呂の後=良いことがある」と結びつけてあげましょう。
また、頻繁に洗いすぎると皮膚・被毛の健康にマイナス影響が出るという研究もあります(※洗浄回数・洗浄剤に注意)。
こうして「お風呂」という体験を〝嫌なこと〟ではなく〝ケアと触れ合いの時間〟に変えていくことが、しっぽが内側に入って震える習慣を変えていく鍵です。
よくある疑問Q&A:安心してお風呂を楽しむために

ここでは、「これって普通?」「どうしてこんな仕草?」という飼い主さんが感じやすい疑問を説明します。
❓ Q.水遊びは好きなのに、お風呂だけ嫌がるのはなぜ?
✅ A.これはよくあることです。例えば川やプールで遊ぶ犬は、自分で動いて選択していますが、お風呂は「入れられる・洗われる」という受動的な経験になりがちです。
自分で選ぶ自由が少ないため、不安を感じるケースがあります。
❓ Q.毎回ブルブル震えていたら病気の可能性は?
✅ A.震えだけで直ちに病気というわけではありませんが、「皮膚が敏感・痛みを伴っている」「以前のお風呂体験でトラウマになっている」などの場合があります。
心配な場合はかかりつけの獣医さんに相談するのがおすすめです。
皮膚バリアの乱れや被毛管理の観点からも、過度な洗浄は健康に影響を及ぼす可能性があります。
❓ Q.どのくらいの頻度でお風呂すればいいの?
✅ A.犬種・生活環境・被毛の状態によって異なりますが、短毛で健康な皮膚の犬は頻繁に洗う必要はないという専門家の見解もあります。
また、洗いすぎや強い洗浄剤の使用は皮膚の常在菌バランスを乱し、将来的に皮膚病リスクを高めるという研究もあります。
❓ Q.お風呂を嫌がる場合、“洗わない”で済ませてもいいの?
極端な汚れや皮膚のトラブルが無い場合、洗浄回数を減らして、ブラッシングや拭き取りを活用する方法も選択肢です。
しかし、「全く洗わない」というのは衛生面・被毛管理面でおすすめできません。
専門家の意見としては「必要な時に・適切な方法で」行うのが望ましいとされています。
まとめ

お風呂タイムでしっぽが内側に入り、ブルブル震えるワンちゃんを見ると「どうしたらいいの…?」と胸が痛みますよね。
でも大丈夫です。
犬がお風呂を嫌がる背景には、決して「わがまま」ではなく、「恐怖」や「不安」「自分でコントロールできない状況」などの原因があることが分かっています。
まずは「安心できる環境づくり」「浴室=ポジティブな場所づくり」「お風呂後のご褒美」で、少しずつ関係を変えていきましょう。
そしてもし「何度試してもダメ」「明らかにストレスが強い」と感じたらかかりつけの獣医さんなどのプロに相談するのも一つの手です。
犬友に聞いてみるのもOK!
ワンちゃんと飼い主さん、どちらもストレスなく迎えられるお風呂タイムが少しずつ近づけば嬉しいです。
今日からほんの一歩、小さな工夫を始めてみませんか?
