最近、鹿児島市内の市街地で野生の猿(サル)が目撃されているというニュースが話題になっています。
例えば繁華街の近くや住宅地、公園付近で「サルがいた」という通報が相次いでおり、私たちの暮らすまちの安心にも少し不安が芽生えています。
なぜ山のない市街地でサルが姿を見せるのか、また目撃したときにはどう対応すればよいのか——
この記事では最新の目撃情報を整理しながら、女性視点で「もしものときに私たちができること」をわかりやすくご紹介します。
鹿児島市街地での目撃状況―どこで・どんなサル?

写真はイメージです。
最近、鹿児島市の市街地で、野生のサルの目撃がぐっと増えてきていてニュースになっています。
2025年11月10日〜12日にかけては、繁華街の天文館、住宅地の谷山・中央町・下荒田・上之園、伊敷や伊敷台など、本当に広い範囲で目撃報告が出ていました。
幸い、今のところけが人の情報はないようなのですが、赤い顔で威嚇する姿をテレビで見たことがある方も多いと思います。
サルって、遠くから見るとどこか人間に近くて親しみやすいイメージもありますよね。
でも実際は動きがとても速くて力も強く、特に興奮しているときや子どもを連れているサルは、私たちが思う以上に予測しにくくて危険な場合があるんです。
「山が遠いから安心」というわけでもなく、むしろ市街地に隣接する住宅地や商業地で目撃されているのが現状で、学校や幼稚園が近い地域でも報告があります。
たとえば、伊敷台の公園近くでは、子どもとみられるサル2匹が出ていたという情報もありました。
こんなふうに「普段はサルなんて見ない地域」や「人通りの多い場所」にも姿を見せているので、「あれ…これ、うちの近所も危ないのかな?」「通勤・通学中に遭ったらどうしよう…」と心配になる方も多いと思います。
特に、通学するお子さんや、早朝・夜に歩く方は、一度「出会ったらどうする?」を知っておくだけで、もしもの場面でも落ち着いて動けますよね。
どうして市街地でこんなに目撃されているのか、その理由についても、続いて整理していきますね。
なぜ「山のない市街地」にサルが出るのか?原因と背景

市街地にサルが現れる理由は、ひとつに絞れるものではありませんが、地元の専門家や自治体が示している背景をまとめると、いくつかのポイントが見えてきます。
👉️ ニホンザルの若いオスは、群れを離れて新しい群れを探すため、季節によって移動する習性があります。
例えば専門家の見解では「若いオスは4〜9月ごろに移動しやすい傾向がある」とされています。
👉️ 住宅地や市街地のすぐそばに「山の端」や緑地帯があること。
つまり、「山がない=サルが来ない」ではなく、むしろ“山と街の境目”で出没しやすい状況があります。
👉️ 人の生活ゴミ、家庭菜園、果樹など、サルにとって“餌になる可能性があるもの”が身近にある場合も。
このため自治体も「絶対に餌を与えないでください」と呼びかけているんですね。
こうした環境の重なりによって、市街地にサルが出てくるケースは「完全な偶然」とは言えないようです。
だからこそ、「うちは大丈夫」と油断してしまうよりも、少しだけ意識しておくことが、日々の安心につながるのかなと思います。
サルを見かけたらどうすればいい?安心・安全のための対処法

写真はイメージです。
鹿児島市の公式ホームページでは、市街地でサルを見かけたときに気をつけたいポイントがしっかり案内されています。
ここでは「自分や家族を守るために覚えておきたいこと」をまとめてみました。
サルと目を合わせないこと
サルとじっと目を合わせると、サルが「威嚇された」と感じてしまうことがあります。
落ち着いて、そっと視線を外しておきましょう。
いたずら・からかいをしないこと
「写真を撮りたい」「ちょっと近づいてみたい」という気持ちは出てしまいがちですが、刺激する行動はNGです。
サルが興奮したり、攻撃的になるおそれがあります。
騒がない・大声を出さないこと
突然声を出したり、追い払おうとすると、かえってサルが興奮しやすくなります。
できるだけ静かに、その場を離れるのが安全です。
(とはいえ、びっくりして声が出てしまいそうですよね…😢)
サルに餌を与えないこと
一度餌を与えると、人間の食べ物を求めて住宅地に入り込むようになり、被害が拡大してしまいます。
「かわいそう」より「安全第一」で、絶対に与えないようにしましょう。
サルを追いかけない・近づかない
サルを刺激する行動はとても危険です。
また何かを投げたりするのもNG!
安全な距離をしっかり保って、落ち着いてその場を離れてくださいね。
自治体へ連絡すること
鹿児島市では、目撃情報は鹿児島市役所・産業局農林水産部生産流通課(099-216-1340)へ連絡するよう案内されています。
自分ひとりで抱え込まず、地域で情報を共有していくことも大切です。
どれもちょっとした心がけですが、知っているだけで、いざという時に落ち着いて行動できます。
ご家庭でも「サルを見たらこう動こうね」と少し話しておくだけで、安心材料がひとつ増えると思います。
怖くて声が出ても大丈夫!パニックになりそうなときの対処法と心の落ち着け方
注意事項には「騒がないように」とありますが、正直、突然サルと出会ったら驚くのは当たり前のことだと思います。
「もし声を出してしまったらどうしよう…」と不安に感じる方も、きっと多いですよね。
でも、びっくりして声が出てしまうのは自然な反応なので、そんなに自分を責めなくて大丈夫です。
市が伝えている「騒がないでください」は、“絶対に無音で過ごしてください”という意味ではなく、できる範囲でサルを刺激しないようにしましょうというニュアンスなんですね。
声が出てしまっても、そこから「落ち着いて距離を取る」という行動に切り替えられれば問題ありません。
サルに背中を完全に向けず、ゆっくりと後ろへ下がりながら距離をあけるのが大切です。
もし一人では不安なときは、近くの人に「少し離れましょう」と声をかけるだけでも気持ちが落ち着きますし、安全にもつながります。
深呼吸しながら、ゆっくり距離を広げていくだけで十分。
怖いという気持ちは自然なことなので、「ちゃんと行動できている自分」を褒めてあげてくださいね。
まとめ
市街地でのサル出没は、「まさか自分の街で…」という驚きとともに、少しだけ“日常の安全意識”を見直すきっかけにもなる出来事だと思います。
鹿児島市では繁華街や住宅地での目撃が多く、山が近くない場所でも安心とは言い切れない状況です。
背景には、若いサルの移動習性や、人と自然の生活圏が重なっていること、餌の可能性など、複数の理由があるとされています。
見かけたときは「目を合わせない」「刺激しない」「餌を与えない」「距離を取る」「自治体に連絡」という基本ルールがとても大切です。
通学・通勤・お買い物のいつもの道でも、「サルが出るかも?」とほんの少しだけ心に余裕を持っておくと、もしものときも落ち着いて対応できます。
大げさに構える必要はありませんが、知識があるだけで心に余裕が生まれます。
今日も安心して過ごせますように。
