親族に不幸があった年って、『おせち料理、どうしよう…』と悩んでしまいますよね。
とくに、親戚のどこかが喪中のときは、『うちは普通にお祝いしていいのかな?』と迷う方も多いと思います。
年末が近づくと、こんな悩みを抱く方が多くなります。
おせち料理は「新年を祝う特別な料理」ですが、喪中では「祝い事を控える」という考えもあります。
この記事では、喪中のときにおせちを食べてもよいのか、そして家族や親族に配慮した過ごし方について、マナーや実例をもとにわかりやすく解説します。
喪中でもおせち料理を食べていい?マナー上の考え方

喪中とは、身近な方が亡くなられてから一定の期間、故人を偲び、祝い事を控える期間のことを指します。
一般的には、配偶者・両親・祖父母・兄弟姉妹など、近しい親族が亡くなってから 1年間(12〜13か月ほど)が目安とされています。
この期間中は、結婚式や正月飾り、年賀状など「祝い事」を控えるのが慣例です。
ただし、「おせち料理」は“お祝いの席で食べる料理”ではありますが、必ずしも喪中に食べてはいけないものではありません。
実際、マナー専門家や冠婚葬祭の書籍でも次のように説明されています。
> 「おせちは祝い膳のひとつですが、亡くなられた方の四十九日を過ぎていれば、通常の食事としていただくことに問題はありません。」
> (出典:冠婚葬祭マナー辞典・日本儀礼文化協会)
つまり、「お祝い」として盛大に振る舞うのではなく、静かに新年を迎える形であれば、おせちを食べることはマナー違反にはなりません。
黒豆や昆布巻きなど縁起を担ぐ食材も、故人を偲びながら家族でいただくことができます。
相手方(息子や娘の配偶者のご実家)が喪中の場合は?
たとえば、息子や娘の配偶者のご実家が喪中にあたる場合は、少し配慮の仕方が変わってきます。
ポイントは、自分たちの家が喪中でないなら、おせちを用意しても問題はないということ。
ただし、相手方が喪中の場合には、お祝いムードを強く出さないように気をつけたいところです。
たとえば次のような工夫がおすすめです。
👉️ おせちを「お祝い膳」ではなく「年始の食事」として楽しむ
👉️ お重や飾りの紅白など華やかな色合いを控え、落ち着いた雰囲気にまとめる
👉️ 新年のあいさつは「おめでとうございます」ではなく「今年もよろしくお願いします」と伝える
また、もし喪中のご家庭へ新年のあいさつをする場合は、喪中見舞いや寒中見舞いの形で気持ちを伝えるのが丁寧です。
このような小さな気づかいが、相手への敬意や思いやりとしてしっかり伝わります。
喪中のお正月にふさわしい過ごし方と「控えるべきこと」

喪中期間の過ごし方には、宗派や地域によっても差がありますが、一般的には以下の点を意識すると安心です。
控えた方がよいこと
● 正月飾り(しめ縄・門松など)
● 年賀状(代わりに喪中はがきや寒中見舞い)
● 派手な初詣や初売り・お年玉イベント
行ってもよいこと
● おせち料理(お祝いではなく食事として)
● お雑煮(派手な具材を避けるとより穏やか)
● 初詣(故人の四十九日を過ぎていれば可、静かにお参りを)
実際に喪中を経験した方々の声を見ると、
「亡くなった祖父のことを思い出しながら、静かにおせちをいただいた」
「紅白かまぼこをやめて、落ち着いた煮物中心にした」
など、“祝い”ではなく“感謝と追悼”の気持ちを込めたお正月を過ごす方が多いようです。
無理に形式にこだわらず、心の整理がつく範囲で新年を迎えることが何より大切です。

まとめ
喪中における「おせち料理」は、四十九日を過ぎていれば問題なしとされています。
ただし、「お祝いとしての華やかなおせち」ではなく、静かに家族で一年の健康を願う食事としていただくのがマナーです。
相手方(息子や娘の配偶者のご実家)が喪中の場合も、自分の家が喪中でなければおせちを用意して構いませんが、紅白の演出や明るい祝い言葉を控えるなど、相手への思いやりを忘れない姿勢が大切です。
おせちは本来、「家族の健康と幸せを祈る料理」。
喪中のときこそ、感謝の気持ちを込めて穏やかにいただく──
そんな新年の迎え方が、きっと心に残るものになるでしょう。
