ネパールには、犬を敬い、花飾りや祝福を贈る特別な祭りがあります。
それが ククルティハール(Kukur Tihar)。
毎年10〜11月ごろ、ネパール各地で「犬の日」が祝われ、飼い犬も野良犬も同じように「ありがとう」の気持ちをこめてお祝いされます。
この記事では、「ククルティハールってどんなお祭り?」「どんなふうに犬たちが祝われるの?」そんな素朴な疑問にお答えしていきます。
犬が大好きな方にこそ知ってほしい、ネパールならではの心あたたまる文化。
見ているだけで笑顔になれるような、犬たちの幸せな姿をたっぷりご紹介します。
ティハールとは?犬だけじゃなくカラスや牛も祝福

写真はイメージです。
ククルティハールはティハールというお祭りの2日めに行われるお祭りです。
ここではまず、ネパールで毎年秋に行われる「ティハール(Tihar)」について説明します。
ティハールは、インドの「ディワリ(Diwali)」に似た、光と祈り、感謝をささげる5日間の祝祭です。
ヒンドゥー教に基づいた伝統的なお祭りで、家族や神様、動物たちへの感謝の気持ちを表すことが大きな目的とされています。
ネパール語では「ヤマ・パンチャカ(Yama Panchak)」とも呼ばれます。
この祭りの大きな特徴は、それぞれの日に「特定の存在」に祈りを捧げることです。
動物や兄弟、神々といった、日々を支えてくれるさまざまな存在に感謝を伝えるという、とても美しいコンセプトが根底にあります。
ティハールの5日間の流れと意味
ネパールのティハールは、5日間にわたってそれぞれ異なる存在を敬う美しいお祭りです。以下に、各日の意味と特徴をご紹介します。
1日目:カグ・ティハール(カラスの日)
死の使者とされるカラスに、ご飯やスナックを供えて敬意を表します。
「災いを遠ざける」という願いが込められています。
2日目:ククル・ティハール(犬の日)
この日は犬が主役! 飼い犬も野良犬も、花輪やティカ(赤い印)で飾られ、特別なごちそうをもらって祝福されます。
犬は死の神ヤマの使者ともされ、神聖な存在と考えられています。
3日目:ガイ・ティハール(牛の日)/ラクシュミ・プジャ
牛は富と母性の象徴。この日は牛に敬意を払い、額にティカをつけたり、ごはんを供えたりします。
夜には女神ラクシュミを家庭に迎える「ラクシュミ・プジャ」が行われ、家々が灯りで彩られます。
4日目:ゴル・ティハール(牛または守り神の日)
地域や民族によって内容が異なります。
牛や牛のふん、もしくは家庭の守り神を祀る日で、自然や大地への感謝が込められています。
5日目:バイ・ティカ(兄弟の日)
兄弟姉妹がお互いの額にティカを塗って、健康と長寿を願い合います。
家族の絆を深める感動的な一日です。
このように、ティハールは単なる宗教行事ではなく、動物や家族とのつながりを再確認し、人間関係を大切にするお祭りでもあります。
特に犬好きの私が注目しているのが2日目の「ククル・ティハール(犬の日)」。
この日には飼い犬も野良犬も分け隔てなく祝福され、世界中の犬好きにとっても注目の行事となっています。
現地では、夜になると街や家々がロウソクやオイルランプ、カラフルなイルミネーションで美しく彩られ、幻想的な光景が広がります。
観光客にとっても、「ネパールで一番美しい時期」と言われるほど人気のある時期でもあるそうですよ😄
ククルティハールとは?

写真はイメージです。
ネパールの五日間祭「ティハール(Tihar)」の第二日目にあたる ククルティハール(犬の祭り) は、犬を対象にした儀礼を行う日です。
英語では Kukur Tihar(“Kukur” はネパール語で犬の意味)とも呼ばれます。
ティハールは、ネパール版ディワリ(光の祭り)に近い日程で行われ、「カグ(カラス)→ククル(犬)→ガイ(牛)→ゴル/ウシ →バイティカ(兄妹の祭祀)」と続く一連の動物礼拝儀礼が特徴なんだそうです。
なぜ犬を祝うのかというと、ヒンドゥー神話と信仰が背景にあります。
犬は死の神ヤマ(Yama)の使者とされ、人間と死後の世界をつなぐ存在と見なされることがあります。
また、マハーバーラタの物語では、ユディシュティラ(五人の兄弟の一人)が天国への道を進む際、忠実な犬を伴ったまま進もうとした話が伝わります。
その犬は実はヤマ神自身と関係していた、という伝説です。
儀礼には、犬に ティカ(赤い印)を額に付け、花輪(特にマリーゴールド)をかけ、食べ物・ご馳走を供えるといった要素があります。
野良犬や警察犬なども含めて、すべての犬が祝福されるのが大きな特徴です。
このように、ククルティハールは「犬に感謝を伝える日」であると同時に、「人と動物の関係性を改めて見つめる機会」でもあります。
私は大の犬好きで、ククルティハールは3年くらい前から知っていたのですが、こんなかわいいお祭りがあるなんて素敵だなぁって思います😄
ククルティハールの祝祭風景と儀礼の流れ
ククルティハール当日、ネパールの街角や家庭でどのような光景が広がるかを調べてみましたよ。
儀礼の順序に沿って見てみましょう。
朝の始まり:清めと準備
祭りの朝、まず犬を清潔にすることが多いです(洗ったり拭いたり)。
その後、花輪(マリーゴールドなど)や儀礼用の糊を用意します。
家の入り口や庭など、犬が訪れやすい場所に小さな祭壇を設けて準備することもあるそうですよ。
ティカと花輪をかける儀式
犬の額に ティカ(赤い印) をつけるのが中心儀礼です。
ティカはクムクム(赤い粉)やヨーグルト、米などを混ぜたものを使うことが多く、祝福と守護を意味します。
よくインド映画でみますよね~。
その後、首に 花輪(マリーゴールド) をかけられます。
色鮮やかなオレンジや黄色の花がよく用いられ、華やかに彩られます。
花輪をかけてもらったわんちゃんの顔がとても誇らしげで素敵です^^
ご馳走と祈り
犬には特別な食べ物(肉、牛乳、卵、高級ドッグフードなど)が供えられ、飼い主や近隣住民が分け与えます。
このとき、「この犬の健康と長寿を祈ります」といった短いお祈りを捧げることもあります。
野良犬・警察犬への対応
ククルティハールはペット犬だけでなく、野良犬・地域犬も大切に扱われます。
街角で見かける野良犬にも花輪や食べ物が振る舞われることがあります。
また、警察犬や災害救助犬もこの日に敬意を込めて称えられ、所在機関で装飾をされることがあります。
夕方から夜にかけて
儀礼が終わった後、家々では灯火(ランプやろうそく)を灯すこともあります。
これはティハールの一環として、「光の祭り」に合わせた演出です。
こうした一連の流れを通じて、犬は「祝福される存在」として人々に愛され、地域が優しさと連帯感で包まれます。
2025年のククルティハールの日程は?
ここでは、最新情報(2025年)をもとに、参加時のポイントと注意点を整理します。
ティハールの日程は毎年変わり、今年2025年は10月19日にスタートし10月23日まで続くそうです。
ククルティハールは2日目なので10月20日(月)になります。
ククルティハールの雰囲気はX(旧Twitter)で楽しめる

写真はイメージです。
「ククルティハールって素敵…でも、ネパールまで行くのはちょっと難しいかも」
そんな方もご安心ください。
実はこのお祭りの様子は、毎年X(旧Twitter)で多くの人が写真や動画を投稿しており、世界中からその温かい光景を楽しむことができるんです。
特に目を引くのは、花輪をかけられてティカをつけてもらったわんちゃんたちの誇らしげな表情。
「ちゃんと祝ってもらってる」とわかっているかのような、うれしそうな目や堂々とした姿に、思わず笑顔になってしまいます。
ハッシュタグは
👉️ ククルティハール
👉️ KukurTihar
👉️ ティハール
などで検索すると、現地の人や動物保護団体、観光客などが投稿した写真がたくさん見つかりますよ。
私も3年くらい前にこのククルティハールのお祭りを知って毎年、ククルティハールのワンちゃん画像を見てニヤニヤ、癒やされています😀
中には、野良犬にも愛情を注いでいる様子や、警察犬が正式に祝われている様子など、普段なかなか見られない光景も。
SNSならではのリアルな瞬間が多く、写真だけでもククルティハールの優しさや文化の深さをしっかり感じられます。
もちろん、毎年の開催時期(10月下旬〜11月初旬ごろ)になると投稿が一気に増えるので、その時期にあわせてチェックしてみるのがおすすめです。
「現地に行くのは難しいけれど、気持ちは一緒にお祝いしたい」
そんな優しい気持ちを、ぜひSNSを通じて体験してみてくださいね。
まとめ
ククルティハール(Kukur Tihar)は、ネパール独自の、犬を敬う温かい祭りです。
犬が「神聖な存在」として扱われ、感謝と祝福が捧げられるこの日は、人と犬との絆を再確認する機会でもあります。
2025年のククルティハールの開催日は 10月20日。
その日には花輪とティカをつけたわんちゃんの姿をX上でたくさん見ることができるでしょう。
日本にもこんな微笑ましいお祭りの日があったらいいなぁと思わずにいられません。